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表紙


『入船鋼材 55周年記念誌』

A4判、並製(2色+カラー箔カバー付)、48ページ、2008年10月発行


営業・教育用ツールとして制作、
「社史らしくない」という反響は狙い通りでした。

入船鋼材株式会社 経営管理本部 本部長 佐藤 陽一 様

「55周年」というタイミングでの発刊ですが。

完成社史

制作の発端は私が外部への説明用に会社沿革に類する資料を作成したことにあります。私は2006年10月に中途入社したばかりで当社の歴史に関する知識はほとんどありませんでした。そこで社長に社史を作ってないか聞いたところ「私は前しか見ていない。後ろは振り返らないから、考えたこともない」という答えが返ってきました。とはいえ創業者も創業当時を支えたOBの方々も高齢です。もし5年後、突如制作することになったらと考え、いざというときの備えに社史・記念誌制作相談会に参加してみました。そこで制作の大変さを知り、せめて会長が健在な内に資料集めだけでもと社長に提案したところ「来年が55周年でちょうどいいからすぐ作ろう!」となったわけです。2007年8月のことでした。

どのような狙いで作られたのですか。

完成社史

費用を投じて制作するのですから、単に歴史を記録として残すだけでなく、お客様に当社を知っていただくための「営業ツール」として使えるものを作ろうと考えました。当社の場合、社員の平均年齢がかなり低いということもありましたので「教育用ツール」として作ることも目的のひとつにしました。そのためケースに入った格式ばったタイプではなく、手に取りやすく、読んでもらいやすいものを目指しました。

編纂はほとんどお一人で担当されたとお聞きしました。

完成社史

当初、私以外に経営管理本部の女性3人がスタッフとして選ばれましたが、通常業務をこなしながら慣れない作業をするのは厳しいものがありました。写真の撮影などを手伝ってもらったこともありましたが、基本的な作業は結局私1人で進めました。

一番苦労されたのはどういった点ですか。

完成社史

とにかく資料がなかったことに尽きますね。個人経営時代の紙ベースの資料はもとより、法人設立後も数度の引越しで整理や廃棄を繰り返してきています。そのため制作を決めた段階で資料らしいものはゼロでした。相談した出版社の方から「インタビューを中心に構成するので大丈夫」と言われ、なんとかスタートしましたが、写真はそうもいきません。古い時代の写真類は最後までなかなか集まらず、OBの方に探していただくなど、かなり苦労しました。

本編を「沿革」「文化」という2部構成にされた意図を教えてください。

完成社史

沿革編は創業者である会長、OB2名と社長の計4名にインタビューし、55年の歴史を紡ぎました。とはいえ資料がなく、取材のみをベースにしているため、あまりボリュームが出せません。そこで現在の姿に焦点を当てることにしました。将来を見据えたとき、今後求められるのは「企業文化」つまり社員の価値観や信条、行動規範を共有化していくことにあります。その観点から、「経営理念」「社外活動」「社員教育」「社会貢献・地域交流」の4つのキーワードで当社の文化を紹介することにしたわけです。

銀色の用紙に狼のイラストを大きくあしらったカバーが印象的ですね。

当社は2004年に会社のキャラクター「イルフ(イリフネウルフ)」を設定しました。狼(ウルフ)は300メートル先の音を聞き、100メートル先の臭いを嗅ぎ分ける能力を持っており、家族愛にあふれ、チームとして行動する動物です。私たちもウルフのように、よく聞こえる耳とよく利く鼻で、お客様のニーズをいち早く察知し、チームワークで団結してすぐ行動したいとの思いが込められています。そこでこのキャラクターを全面的に出し、かつカバーの銀色で鉄鋼商社としてのイメージを表現しました。

ほかに制作にあたって苦労されたことはありますか。

完成社史

制作が決まってから完成まで1年あまりでしたが、とにかく時間がなかったという印象が強いですね。資料がなかったため、売上高や社員数推移といった資料編のデータひとつ作るのも簡単にはいきません。通常業務との兼務ですから、原稿の確認や打ち合わせなどに追われた日々でした。

配布先と配布後の反響、効果などを教えてください。

取引先に半分、残りは社員に配りました。当社は経営理念の中で「社員第一主義」を打ち出しています。そこで社員の家族の皆様にも会社をよく知っていただきたいとの思いから、地方出身者の場合は親元へ、結婚している社員には配偶者の方に送りました。お客様などから「社史らしくない」という声をいただきましたが、これは当初の狙い通りです。社長からは「自分が知らない事実があった。作ってよかった」と言われて安堵しました。

これから社史を担当される方にアドバイスがありましたらお願いいたします。

資料や記憶というものは意識していなければ簡単に失われていくもので、いざ必要になったときに探すとなると大変な作業になります。資料や記憶が散逸してしまわないうちに、とにかく早めに着手されることをお勧めします。

ありがとうございました。

■入船鋼材株式会社・プロフィール
酸洗鋼板をはじめ、冷延鋼板、熱延鋼板、表面処理鋼板、ステンレス、条鋼その他、高炉メ-カ-等から仕入れた鋼板母材をユーザーニ-ズに合わせて加工・販売する鉄鋼商社。

http://www.irifune-po.com

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