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表紙

『ナカリングループ 60年の歩み』

企業理念形成のバックボーンを伝える、そこに大きな意味と効用がある。

A4判、100ページ、並製本、2008年5月発行

株式会社ナカリンオート 代表取締役 中嶌 秀高 様

社史発刊は今回が初めてだそうですね。

大きな節目ですし、創業者(現会長)がまだ元気なうちに、会社の歴史を一度まとめておこうと思ったのがきっかけです。今まで周年にあたっては式典を行なってきましたが、今回は60周年。人間で言えば還暦ですからね。

制作にあたって重視されたことはありますか?

完成社史

私は創業者の息子でして、家族を中心にバイクの販売・修理業を営んでいた頃を知っています。だからでしょうか、当社を見るうえでも企業というよりは家業というイメージを強く持っています。今回も父から始まった家業の歴史を掘り起こすという思いで、父の足跡をきちんと記録することを意識しました。
それ以外で気を配ったのは読みやすさです。他社の社史となると、よほどの興味がなければなかなか読まれないものですよね。それはわかっているのですが、せっかく手間とお金をかけて制作するのですから、少しでも手にとって読んでもらいたい。それにはビジュアル面の充実が不可欠、と全頁をフルカラーに、写真を随所にちりばめました。

どのような編集体制で臨まれたのでしょう?

制作にあたったのは私一人です。社史編纂といえば、総務が対応するといったイメージもありますが、誰かに任せることには抵抗がありました。やはり会社の歴史にいちばん詳しい人間が作るべきではないでしょうか。

制作期間はどれくらいですか?

完成社史

社史制作を決定したのが、式典開催のおよそ10カ月ほど前ですから、制作期間としてはそれくらいだったと記憶しています。ただ、本格的に作業に入ったのはその半分が経過してから。記念式典で無事社史をお届けできたのは、スケジュール管理をしてくれた編集者のおかげですよ。

本史の特色のひとつは会社の沿革とは別に設けられた創業者の個人史ですが、なかでも創業者の出会いの軌跡をクローズアップされているのは目をひきます。

完成社史

社史の目的のひとつは、歴史を時系列に沿ってまとめることにありますが、私はそのうえに創業者の理念やそこに込めた思いを伝える大切なツールでもあると思っています。理念とは、それだけ取り出せばごく当たり前の考えだったりしますが、結実するまでには数々の出会いや浮沈、教訓などが存在するものです。それゆえ企業理念の真の理解には、それを形成するにいたるバックボーンの理解が大事となる。創業者の出会いの軌跡を紐解いたのは、ここに理由があります。

制作過程でほかに印象に残っていることはありますか?

会社の歴史を一から学ぶなかで、志半ばで倒れた物故者の存在は感じるところが多かったですね。彼らがいたからこそ今日の当社があることにつくづく気づかされました。 そこで彼らの業績や人となりを紹介するページを別に設け、関係者から思い出語りという形で寄稿していただきました。当社との関わりや果たした役割を初めて耳にする方もいて、当社の歴史をまた違った角度から見られるとともに、様々な人たちのご尽力を忘れてはいけないという思いを一層強くしました。

反響はいかがでしたか?

完成社史

社外の皆さんからは「よくできたね」と好評をいただいています。社内ではどうでしょう? 本史に掲載してあることは、会議の席上などでことあるごとに伝えていることですので、驚きや感動は少なかったかもしれないですね。ただ、今回口伝であった社史が書籍にまとまりましたので、新入社員の研修などで有効に活用していきたいと思います。

これから社史を担当される方にアドバイスがありましたらお願いします。

私は社史制作を事業承継のひとつの条件にするべきと思っています。人的・物的承継はできても、理念の承継は簡単ではありません。会社の歩みや創業者の思いを知らなければ真の理解は得られないからです。しかしながら、たとえば経営者セミナーでは現状分析と未来予測を大事にする反面、過去を振り返る視点が軽視されています。そうした風潮が他企業においても強いのは残念なことです。
私が社史制作を一人で担当したのもこうした考えが根本にあったからで、社史はぜひ会社の後継者に作らせるべきだと多くの方に提案したいと思います。歴史を見直すには社史は絶好の機会です。
今回会長取材に同席した際、理念について問うと突如として話に熱が帯びたのを覚えています。きっと私に聞かせたいとの思いがあったのでしょう。企業理念の永続性は会社継続に不可欠なもの。そのためにもぜひ社史制作の機会を利用されてはいかがでしょう? 事業継承の時期が周年に当たるとは限りませんから、その意味では、たとえば創立23年にバトンタッチするなら「23年史」と、継承時期にあわせて社史を発刊してもいいと思いますよ。

どうもありがとうございました

■株式会社ナカリンオート
お客様に安全で快適なカーライフをご提供するべく、「車両販売・リース・保険」「車検・一般整備」「鈑金・塗装」といったサービスを提供している自動車の総合ディーラーです。

http://www.nakarin.co.jp/

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