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表紙


『全日食チェーン50年の歩み』

A4判 上製/並製 268頁 2011年10月発行


「次世代に歴史を継承する」をコンセプトに親しみやすい社史となりました。

全日本食品株式会社 常務取締役 木村富士夫 様
           管理本部 総務部部長 宮田 眞吾 様
           管理本部 総務部係長 黒木美子 様

社史編纂をスタートされたのは、発行日のどのくらい前だったのでしょうか?

完成社史

木村:過去2冊の社史を作っていたこともあり、50年史の制作は発行日の2年前くらい前から決まっていたので、あとは総務部の誰がやるかということと、業者をどこに決めるかということだけでした。

黒木:それから、業者を探すことになったのですが、以前に御社から送られてきたDMを机の中にしまっていて、「なかなかしっかりした会社だなぁ」という印象をうけ、お声がけさせていただきました。

木村:業者決定の最大の理由は、御社からご提案いただいた書籍タイトル「和を以て拓く未来」にひかれたからです。あの短期間で企画のご提案をいただいたなかで、当社の雰囲気を理解し、わずか8文字で表現してくれたことに、社長も喜んでいました。

どのような体制で臨まれましたか?

完成社史

木村:50周年プロジェクトの委員会が立ち上がり、その下にいくつかの小委員会があって、社史編纂委員会については、私がトップで、宮田部長と黒木さんの3名で体制を組みました。

社史編纂委員会の発足当初は、内容を委員会で確認しながら進めていく予定でいたのですが、結果的には実務担当者の黒木さんに任せっきりになってしまいました。

黒木:私は年4回発刊する社内報を作っているので、その発刊月はまったく50年史の作業には手を付けられませんでした。その事前予測もお伝えしてあったので、御社の方でスケジュールを調整してもらいましたが、3.11の大震災が起きたあとの1,2ヵ月は、精神的にもそうでしたが、完全に作業がストップしてしまいました。

年間を通して、この時期が当社の場合、総務部の業務が比較的空く時期なので、この期間で遅れを取り戻す予定だったのですが、計画停電などもあり、お手上げ状態でした。

過去、2冊作られていますが、50年史の編集方針はどのようなものだったのでしょうか。また、制作にあたって、重視されたのはどの点ですか。

完成社史

木村:これまでの2冊は会議資料でしたので、今回の50年史は「次世代に歴史を継承する」を基本コンセプトに掲げ、一般的な社史に仕上げることを心がけました。対外的よりも内向きにし、次世代が読んで、理解してもらうことを一番にしました。

黒木:編集方針はこの基本コンセプトをもとに、見やすさ、読みやすさ、分かりやすさを追求しました。
まず「見やすさ」という部分ですが、当社の場合は、創業社長から一貫して築き上げた会社でなく、合併、合併で今がありますので、資料があまり残っていなかったのです。しかし、不思議と写真は豊富に社内に残っていましたので、数多く使ったり、大きく使ったりして、親しみやすく工夫しました。それと、資料編も数字だけを羅列するのではなく、いろいろなアイデアを御社からいただいたなかで、ビジュアルに表現しました。資料編よりも本文の方に気が取られてしまいがちですが、資料編が充実していないと、社内で活用できないと思い、見せ方に工夫を凝らしました。

完成社史

木村:口絵の一部を観音開きにして、当社の仕事の流れがひとめで分かるように、写真で表現したのも良いアイデアだったと思います。

宮田:写真が多く残っていたことは、ムービー制作にも役立ちました。ムービーを作るきっかけは、50周年記念の「チェーン大会」の休憩時間で流そうということが、急遽決まって、50年史で使った写真をスライド形式でまとめました。写真のセレクトと演出が好評で、式典で流したあと、リクルーターの待合室や、今では1Fの受付でも流しています。

黒木:「読みやすさ」は、今回、業界に精通したプロのライターさんに書いていただき、淡々と歴史は語ってもらいつつ、ストーリー性のあるものに仕上げてもらったので、読みごたえがありました。

木村:ビジュアルも文章もバランスがとれたものになったので、分かりやすい社史に仕上がったと思います。

原稿について特に注意された点はどのようなところでしたか。

完成社史

木村:株式会社と協同組合でできている組織で、お互いに歴史があるので、当社のことを理解されるまで、ライターさんは時間がかかったと思います。 黒木:原稿の中身については、歴史を淡々と綴っていただくことが基本としてありましたが、勉強熱心なライターさんでしたので、ある程度は任せるスタンスでいました。

宮田:ただ、取材を組合の現会長と、当社の現社長に数回に渡ってやっていただいたのですが、お二人とも話がうまいので、ライターさんは入り込んでしまったように感じました。その結果、文章量が増えてしまいました。

黒木:それと、巻頭に「15分で分かる全日食」をねらって当社の概説を10ページでまとめたのも良かったと思います。長い文章を読むのが苦手な人はもちろんですが、まず大まかな流れを頭に入れてから読み進められるようにしました。

社史制作をご経験なさって、どのような感想をもたれましたか。また、社史を発行することの価値や意義についてどのようにお考えですか。

完成社史

黒木:「50年」という時間の永さを感じました。先人は大変な経験をされて、今があるのだと実感しました。また、資料収集・整理の重要性が良く分かり、資料によって出来事の日付が違っていることも発覚し、いままで放置していた事柄がこのタイミングで整理が付けられたのは大きかったです。

木村:さきほどお話したとおり、株式会社と協同組合でできている組織で、お互いに歴史があるので、今回その統合ができました。合併、合併でできた組織でもあるので、意思統一が図れたと思います。

刊行されてからの反響はいかがでしたか。

黒木:上製本と並製本に分けて作ったのは良かったです。社員に上製本を渡しても、きっと読んでくれなかったと思います。

木村:それと、新入社員の親御さんにも贈りました。子どもの働く会社がどのような会社なのか、この一冊で理解してくれたはずです。

最後に、今後、社史制作の仕事をされる方へのメッセージをお願いします。

完成社史

黒木:最初、何から手をつければ良いのか、まったく分からなかったので、御社に引っ張っていただいて助かりました。それと、3.11のように、いつ、何が起きるか分からないので、制作スケジュールは余裕を持った方が無難です。
また、年表作成に苦労しました。過去の2冊の社史が微妙に違っていて、その確認に時間がかかりました。社史制作をする上で、社内報は役に立つので、そのなかに会社の動きを入れておくと、のちのち楽になると思います。

宮田:今回、資料の収集・整理の重要性を学びました。組合、人事、総務と、資料が分散していたので、どこか一箇所に資料が整理されている場所を作っておくとか、整理の方法を考えたいと思っています。

木村:御社に頼んでよかったと思っています。結果として、人手が足りなかったし、3.11もありましたし…。これ以上、実務担当者の作業が増えたら、ギブアップしていたと思います。当社のような中小企業は、きっと少人数でやっていると思うので、御社のような企画からやっていただける業者でしたら、担当者は助かるのではないでしょうか。

お忙しいところありがとうございました。

■全日本食品株式会社 プロフィール
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