業種を問わず、環境問題への取り組みが注目されているなかにあって、「社史」でも、環境への配慮がなされるようになってきています。社史を「書籍」として見た場合、どんな配慮が考えられるかをまとめてみました。
皆さんの会社でも、コピー用紙を再生紙に換えておられるところも増えていると思いますが、社史も再生紙を使うケースが出てきています。「紙」に視点をあててみると、再生紙以外にも、非木材紙や無塩素漂白パルプ使用紙等があります。 また、紙以外に配慮できるものとして、「インキ」も考えられます。
1.再生紙とは
古紙が混合されている紙を総称して再生紙と言っていますが、明確に定義されているわけではありません。古紙100%の紙も再生紙ですし、古紙混合率10%の紙も再生紙と言えます。現在、紙のメーカー各社から数多くの再生紙が出されており、本文に使うコート紙やアート紙、表紙や扉に使う特殊紙にもいろいろと種類があります。
とは言っても、非再生紙の方が圧倒的に多いわけですから、デザイン優先で制作を進められる時は制約されることになりますし、普通の用紙に比べると費用は若干割高になるとお考えください。
2.その他環境に配慮した用紙
製紙原料をパルプ化する際、塩素等の薬品を組み合わせて漂白しますが、用紙にはわずかに塩素が残るため、焼却した場合、ダイオキシンを発生することがあります。環境に配慮して、塩素そのものを使わない無塩素漂白パルプ紙も作られています。
また、木材パルプを用いない、つまり森林資源の保護につながる材料として、「ケナフ(アオイ科の一年草)」「亜麻」「コットン」「サトウキビバガス(サトウキビの絞りかすから抽出した短繊維)」などがあります。
これらの紙は、未利用資源の有効活用が図れるということで、注目されています。
3.大豆インキとは
紙以外にも、環境負荷の少ないものとして、大豆インキがあげられます。これは、インキに含まれる石油系溶剤分を大幅に減らしたもので、環境にやさしいインキとされています。