こぼれ話 社内編纂組織の人選のポイント

社内編纂組織の人選のポイント

社史を制作する際に、どのような編纂組織を社内に設けたらよいか、という質問をお客様から受けることが多い。当社では、上部組織としての編纂委員会と、下部組織で実行部隊の編纂事務局を核とした雛形をご案内しているが、長く編集をやっていると、その人選のポイントのようなものが見えてくる。

その第一は、編纂委員会の中心には、経営トップとの意思疎通がスムーズに行える方を据えること。これは取締役クラスを必ずしも意味しない。地位にかかわらず、トップの信頼が厚く、必要に応じて適宜意向を確認できる関係にある方ということだ。こういう方なら、何をどのタイミングでトップに諮るべきかの判断が的確なのである。

第二は、各部署もしくは事業部門を代表する方々を、編纂委員会のメンバーに揃えること。言うまでもなく、社史の編纂では、取材、資料・写真収集、原稿チェックなどで、社内のあらゆる部署の協力を得ることになる。その“協力”を社業の一環として上司から認知してもらえなければ、日常業務の洪水の中で、社史への協力には消極的になりがちなのが人情だ。しかし、それが上司からの指示であれば話は別…と、これは極めて単純な話である。

最後に、意外に見落とされがちなのが、編纂事務局の単純事務要員の必要性だ。ある程度社業に精通していなければ社史の役には立たないとの観点から、若い社員は選考対象から除外されがちだが、編纂作業の中には、膨大な資料・写真類の分類・整理やコピー、年表台帳(もしくは素年表)の作成など、体力やOA機器への精通が必要な作業も少なくない。こうした作業を多忙な部課長級の方々が行えば、自ずと作業は遅れがちになる。正式メンバーでなく、臨時の応援部隊でもよいから、これら作業の要員を確保しておくと、進行がスムーズになること請け合いである。(T・Y)

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