『コナカ50年史』
社史を締め括るまとめの文章は、原稿が全てそろった後で、未来に向けた言葉としてまとめたいですね。
A4判252頁、上製本 2002年12月発行
株式会社コナカ 管理本部総務部部長 岡田良彦 様
本が出来上がってからの反応はいかがでしたか。
いろんな反応があり、驚きでもありました。
2003年の賀詞交歓会でお取引先様にお配りしたのですが、10社ぐらいの方々からは感想文を寄せていただきました。長い歴史の中で、自社の成長とダブらせ、思い出深い事も多いようで、社員以上に喜んでいただきました。
また、あるベテラン社員は奥様に見せたところ、「会社に対する認識が変わった」と前向きな評価をいただき、また、新入社員からは、「50年という歴史の重さを感じ、会社のことが良く分かった」と、いずれも当初考えていた反応とは違い、いい意味での驚きでした。
制作途上で苦労された点はどんなところでしょうか。
制作を開始して1年半あまりで作り上げましたので、今思えば、苦労と言うより時間的に、いろいろと大変な面もありました。
特に写真については、制作の最初に、各部門の担当者を集めて、写真収集の要請をしたこともあり、最終的には数としては集まりました。それでも、当然ながら同じ写真が多く集まってしまったのが残念でした。原稿が出来上がる段階になると、文章に合わせて、必要な写真もありましたし、「この出来事の写真はあるはずだ」という物もありましたが、結局探し出せませんでした。
そういった点で、今後は総務の方で、将来に備えて、事あるごとに写真に残していこうという確認をしています。
原稿をまとめる上でのご苦労はいかがですか。
本文の原稿についてはライターさんにお願いしたのですが、取材の過程で上手に記憶を引っ張り出していただいと思っています。
50年前に個人企業として創業し、当時は上場など全く考えていなかったでしょうし、まして社史の制作など予想もしていなかったと思います。
特に昭和33年以前についての資料は乏しく、当時を知るには記憶しかない訳です。しかし、記憶には食い違いが出てきますし、役員の思い出話が始まりますと、取材がはかどらないこともありました。それでも、思い出話の中にはいろんなヒントが詰まっていて、ないがしろにするわけにもいきません。そのため、そのあたりの取材には充分時間をかけて進めました。
本文のまとめの文章は直接執筆されたと聞きましたが。
本文の文章の最後は50年史の締めになりますが、この部分については何度も何度も書き直しをいたしました。
本文の最後は、原稿の全体が頭に入って初めてまとめられるものと思いましたし、これからの会社の方向性を指し示すものと考えたからです。
まとめの文章として、社内の人間には更なる飛躍を、社外にはこんな方向に行きたいと示すことにもなるので、限られたスペースの中、苦労してまとめました。
完成後の感想や、アドバイスがありましたらお願いします。
苦労を重ねた分、出来上がりには満足しています。
特に、資料編に、「年表」とは別に、各店舗の推移を載せたのがよかったと思っています。例えば社員各人がどの店に入ってどこに替わったか、各人の会社での履歴を確認するには便利で、いろんな面で役立つ資料になったと思っています。店舗展開をなされている企業であれば、出店歴をまとめるのは必要だと思います。
今後については、50年史としていろんなデータも入れられたので、70年史をまとめるにしろ、100年史をまとめるにしろ、50年史からスタートできるのは大きいですね。
ありがとうございました