『日本財団50年史 ―ボートレース事業とともに―』
A4判 並製 180頁 2012年10月発行
正式な「記録」を作成し、職員や関係者が過去から学べる資料となる社史に仕上がりました。
日本財団
総務グループ企画推進チーム 浅岡 遼 様
社史編纂をスタートされた時期は?
社史制作が正式に決定したのは、2012年2月頃で、実際に編纂作業に着手できたのは、4月くらいからです。
制作体制はどのようなものでしたか?
常務理事1名、広報アドバイザー3名、総務グループ企画推進チーム(担当3名)にて編集方針や全体構成の策定を担う編集委員会を編成し、その下で企画推進チームが編集実務を行いました。
また、各部署との連携を円滑に行うために、編集サポートメンバーを各部署より1名選出してもらいました。
これまで30年史、40年史を発刊されているが、10年ごとに発刊する理由は?
社会と密接に関わっている当財団の事業活動は、社会の変化に伴って絶えず形を変えていきます。
そのため、ますます変化の速度を早める社会にあって、10年に1度は正式な記録を残しておく必要があると考えています。
50年史における発刊の意図や編集方針、特に重視された点は?
50年史では、特に直近10年間を中心とした事業活動の「記録」を作成し、職員および業界関係者へ過去から学ぶ資料を提供することを目的としました。
そのため資料編を重視し、客観的なデータや、さまざまな視点から50年間を振り返られるよう多種類のデータを掲載したのです。
また、写真をたくさん掲載するなど、雑誌に近い誌面づくりを意識し、手に取りやすい社史の制作を心がけました。
原稿は御財団内で分担執筆されましたが、その理由は?
当財団では職員をジェネラリストとして育成していく方針で、極力職員自らが多様な経験を積むことを重視しています。
今回の原稿執筆もその一環で、担当者が事業を振り返る良い機会になりました。
また、担当者が自ら記事を執筆した方が、より現場に近い生きた記事になると考えたことも、理由のひとつです。
社史制作をご経験された感想は?
実際に社史を制作し、記録を残しておくことの重要性を痛感しました。制作過程で触れた資料の中には、内容が曖昧なものや一部が紛失しているものも多く、確認作業に苦労したものです。
信頼できる記録を、社史として定期的に残しておくこと自体が、非常に意義のある作業だと思います。
刊行されてからの反響はいかがでしたか?
役員からは「とても良い年史ができた」という評価を、職員からは「写真を多用していてとても見やすい」というお褒めの言葉をいただきました。
また、「資料編が充実していて参考になる」といった編集方針の狙いに沿った感想も届いています。
最後に、今後、社史制作の仕事を担当される方へのメッセージをお願いします。
社史制作は地味な作業かもしれませんが、そこから生まれる記録の集大成である社史は、何ものにも代えがたい価値を持つものだと思います。
また、過去の歴史を整理することは1人の職員としてとても勉強になるので、この機会を最大限に活用して良い社史を制作していただければと思います。とにかく早く作業に着手することをお勧めいたします。
お忙しいところありがとうございました。
■日本財団 プロフィール
社会福祉・教育・文化などの活動、海や船にかかわる活動、海外における人道活動や人材育成などに事業展開。