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表紙

『天藤製薬のあゆみ』
『天藤製薬八十年史』

愛情を込めて企業理念の発揚に力を注ぎました

「天藤製薬のあゆみ」 A4判44頁、並製本カバー付き、平成13 年10 月発行

「天藤製薬八十年史」 A4判146頁、上製本、ケース付き、平成14 年4月発行

天藤製薬株式会社 総務部参事 芦田重直様

まず、目的を明確に

当社ではかつて、業界誌紙に掲載された当社に関する記事をまとめた『ボラギノール55 年のあゆみ』を発行しましたが、それ以降の25 年間は事業史をまとめたものがなく、現在の社員の多くは会社の歴史に対する知識、理解が十分ではありませんでした。

そこで私は、後輩たちに対してできるだけ事実に即した社史を残してあげたいという気持ちを強く抱きました。
何度も巡ってきた企業の転換期に際して経営者、あるいは先人たちはどのような判断をし、どのような行動をしたのか。たんなる事実の羅列ではなく企業のルーツや創業の理念を確認しながら、さまざまな出来事に関わった多くの人たちの気持ちを伝えるものにしようと決意しました。

私としては、そのような会社の歴史を念頭において、自分たちの仕事に魂を込めて取り組んでほしいという願いがあったのです。言い換えれば、歴史を知ることで企業の原点を思い返し、感情的なものではなく、理性的で納得のいく愛社精神を持ってほしかったのです。同時に、当社をここまで支えてくださった顧客、お取引先や従業員、あるいはその家族に感謝の気持ちを表せるものにしようと決めました。

そのようなわけで、普及版としてのものと、記録を重視した配布先限定の2冊を発行することにしたのです。
したがって、発行の目的は社内的には歴史の理解と求心力の高揚、対外的には関係各位への感謝の気持ちと当社に対する信頼の醸成を心がけたつもりです。

みんなの協力でできた基礎資料

2年前に事務局を委嘱された私は、さっそく記録の収集・整理にとりかかりました。ところが、実際のところどのような資料を集めたらいいのか分かりませんでした。

そこで他社の社史を20 冊ほど読み、必要な項目を頭にインプットしました。それに基づいて生産、営業、経理、人事、学術情報、研究開発、品質管理などの関係部署に資料整理や記録の点検を依頼しました。生産編は私自身が20 年余生産管理マンだったので自ら整理・作成しました。このように多くの関係者の協力があって、「ボラギノール開発製造史」「天藤製薬株式会社の半世紀」といった可能な限り事実に即した詳細な資料が完成しました。その他に、企業年表、社内組織図の変遷、生産・営業・経理に関する統計なども整備しました。そこには社外秘のことも多く記されており、当社の貴重な記録となるはずです。

それと並行して写真の収集を行いましたが、ほんとうはどれくらい集まるか不安でした。しかし、倉庫のダンボール箱を片っ端から調べてみると、意外に残されており、当初の心配は杞憂に終わりラッキーでした。

バランスのある記述に留意

資料のまとめや写真の収集は、助言者もなく孤独な作業でした。しかし、その過程で私は自分自身の専門に捉われずに、すべての部署に配慮したバランスのとれた社史を作ろうと意図しました。ただ、「ボラギノール開発製造史」、「天藤製薬株式会社の半世紀」については、その時点での事象に対して多少の説明や分析は避けられず、社史に私的な見解を持ち込まないよう自戒しながらの作成でした。これを下敷きにした社史が、客観的なものであるとの評価をいただければ幸いです。

集まった資料を基に、出版社のライターさんに構成と文章作成をお願いしましたが、特定の部署に偏らずに分かりやすい記述をしたいという私の意をくんでいただき、いいものができたと喜んでいます。

社内に配布された普及版は、堅苦しくなく頁数は手頃で読みやすい、全編カラーで親しみやすいなど、すこぶる好評でした。また、営業マンが関係先に会社案内がわりに配ったり、リクルート用に役立ったり、工場見学の方々に配って喜ばれるなど、社史以上の役割を果たしてくれたことは担当者として望外の幸せでした。

編集作業を終わってからしみじみ感じたことは、資料の収集はもちろん社史づくりに伴う多くのことは、愛情を持って取り組むことがいかに大事かということでした。それによってこそ、社内の人を、あるいは社外スタッフの方々をも自分の熱意に巻き込むことができると思いました。そういったみんなの熱意が、結局はいい社史づくりとなって結実したと思います。

最後になりますが、社内外の資料提供者はもちろん、このような得難い体験を与えてくださった経営者に、そして、校正作業や付随業務に奮闘していただいた編集委員会のメンバーに満腔の謝意を表します。

ありがとうございました

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