『たえず一歩先へ 水谷ペイント85年史』
歴史資料を残しておくことの大切さを痛感、年表台帳作成を引き継いでいきたい。
A4判、上製・並製、140ページ、2008年11月発行
水谷ペイント株式会社 管理部統括部長 吉川 幹 様
経営企画室室長 西山 均 様
企画課課長代理 堀江恵子 様
初めて作られた社史が85年史ですから、資料集めに苦労されたでしょうね。
ずっと以前から会社の歴史をまとめておきたいという思いはありました。それで社内報で大先輩に創業期の思い出を書いていただいたり、周年の際に歴史を振り返る特集をしたりしていましたので、ある程度の準備はありました。また、古いことをご存じの会長、相談役にも、元になる原稿を書いていただきました。
今回、会長、相談役がご高齢であること、ベテラン社員たちがそろそろ退職の時期を迎えていて、古いことを知っている人がいなくなるということで、社長が社史制作を決定されました。
それでも、当社発祥の地の住所や、製品の発売年がなかなか特定できず、年表台帳の作成や事実確認には、予想以上の時間がかかりました。
戦前の古い写真や製品のラベルをたくさん集めておられます。
ある方がアルバムにして大事にとっておかれたのを、私(西山)が知っており、活用させていただきました。今まとめておかなければ、こういうものが残っているということすらわからなくなってしまったかもしれません。
担当者の熱意も大切ですね。
私(西山)は、弊社が現社名になった年に生まれ、還暦になる年に社史を担当しました。水谷の歴史と私の人生の因縁を感じます。長い会社生活の総まとめをしたようで、社史ができあがって肩の荷が下りました。
現在のような経済的に厳しい時期に社史を作っていいのかという話もありましたが、社長の「絶対作るんだ」という強い意志がありましたので、なんとか編纂メンバーが協力して完成させることができたのです。
内容は同じで、体裁を変えて上製と並製を作っておられます。
上製本はお得意先に、並製本はOBの方々や社員に配布しました。主なところには社長が持参しましたが、社史で初めて弊社が85年もの歴史のある会社だと知って、評価していただきました。淀川区長からは「地域にこんな歴史のある自慢できる会社があったんだ」と言っていただきました。
また、今回、事実確認のため地域の図書館で古い地図や電話帳を調べて、ずいぶん古い資料が残っているのに感心しました。それで、弊社の社史も地域の図書館に寄贈しました。
これからどのように歴史を残していかれますか。
最近の社内報は、事実の記載が減ってきています。今回社史を作って歴史資料を残しておくことの大切さを痛感しましたが、なにか新たに作るのは大変ですから、社内報で出来事をちゃんと記載して残していこうと思っています。社内報に社史を発刊したこと、その反響、納本先なども記載しておかないといけませんね。
資料としては社内報の記事が一番役に立つと思います。議事録は残っていたとしても、細かすぎてなかなかわかりづらいですね。あとはせっかく時間をかけて作った年表台帳を総務に引き継いで、続けて作成していくことと、新製品が出た際にカタログだけでもきっちりファイルしていこうと思っています。
*ご担当者様3名の談話を、一つにまとめさせていただきました。
どうもありがとうございました
■水谷ペイント株式会社