『セラミック溶射と言えば日本コーティング工業-新技術・新材料・新アプリケーションの50年』
B5判 並製 64頁 2011年10月発行
創業者の思いや市場を開拓してきた先輩たちのチャレンジ精神を描き出すことを重視しました。
日本コーティング工業株式会社
技術部 工学博士 吉岡 寿扇 様
今回御社で初めての社史となりましたが、制作の目的を教えて下さい。
50年を節目として、これまで先輩方が培ってきた技術とその変遷をまとめる目的で社史発刊が実現しました。
また、歴史を振り返ることで、溶射が一般的でない時代から技術を磨き、市場を開拓してきた先輩のチャレンジ精神を現役社員に知ってもらう機会になればとの想いもありました。
50年史の内容で重視されたのはどのような点でしょうか。
一つは、当時未知の技術であったローカイドを導入したいきさつと親会社との関係、創業者の想いが伝わる内容になるようこだわりました。
その甲斐あって、OBの方をはじめ創業者を直接知らない若手社員から、「創業者の想いが深く伝わった」との声がありました。
もう一つは、次へとつながる、展望を見いだせる内容になるよう、創業時のチャレンジ精神や技術(アプリケーション)の変遷が読み手に伝わる内容にしたことです。その部分は写真を多用しビジュアル化するなど、色々工夫したところでもあります。
社史制作をご経験されて、どのような感想を持たれましたか。
これまで当社の歴史について漠然としていたところが多々ありましたが、今回、社史制作に携わったことで改めて一連の流れをきちんと認識することができました。
実際、私だけでなくOBの方や社員からも自社についての一連の歴史がよくわかり勉強になった、お客様に当社を説明する際に役だったとの反響がありました。
また、資料収集などの実務を経験したことで、記録に残す重要性について意識するようになりましたね。
制作にあたって、特に苦労されたのはどのようなことでしたか?
資料収集や確認作業は特に苦労しました。記憶があっても、実際に資料がないこともあり、探したり、管理したりするのが大変でした。製品の写真などは多く残っていたのですが、部署によって残っている資料にもばらつきがありましたので、紙面上のバランスを考慮にいれつつ、ふさわしいものを提供する作業は意外と苦戦しましたね。
これから社史を担当される方にアドバイスをお願いいたします。
当社は50年を節目として制作しましたが、30年くらいで一度作るのがいいかと感じました。
記憶に頼るのも限界がありますので、創業者の想いを正しく残すという意味でも創業者か、それが無理でも会社の歴史をよく知っていらっしゃる方が御健在のうちにまとめることが望ましいかと思います。
他には、会社の行事などを記録に残し、一元管理できるといいですよね。当社の場合は、行事の写真が思っていたより少なかったため、残しておけば…と思いました。そういう意味でも管理を担当する人がいるとよりいいですよね。
それと可能であればOBの方にご協力を頂くのも良いかと思います。今回も2名のOBの方が積極的に協力下さって、他のOBの方々の取材や資料提供を助けて下さいました。大変助かりました。
お忙しいところありがとうございました。
■日本コーティング工業株式会社 プロフィール
セラミック溶射の基幹技術ローカイドプロセスを日本で最初に導入し、さらに進化させてきた。